(5)諸味・杉樽

諸味が息づく。古式製法による昔ながらの醤油製造方法。

醤油ができるまで

1階でご覧いただいた杉樽の上面です。

醤油の作り方は、煮た大豆と炒った小麦をほぼ等量混合し、種麹を加えて「麹」を作ることことからはじまります。これを大豆に煮汁で作った塩水と一緒に樽に仕込んで「諸味」を作り、撹拌(かくはん)を重ねながら約1〜2年寝かせます。麹菌(酵素)や酵母、乳酸菌などが働いて分解・発酵がすすみ、さらに熟成されて醤油特有の色・味・香りがうまれるのです。

原材料は、国産丸大豆、国産小麦、五島灘のにがり塩を使用しています。この諸味(しょうゆになる前のもの)は、大豆と小麦で糀を作り、塩水で仕込んで1年、発酵熟成させます。諸味の中にはたくさんの酵母、乳酸菌などが生きています。それらが酸欠にならないように蔵人が長い棒をかき混ぜて空気を送ってやります。

通常は豆は蒸されて仕込まれますが、古式製法は豆をじっくりと時間をかけて煮て、さらに煮汁を仕込み水として使用するのが特徴です。これにより大豆のもつイソフラボンやレシチン、サポニン等の栄養成分が丸ごと入ることになります。
厳寒の冬に仕込み、天然の杉樽で1年以上熟成させ、もろみを搾り、出来上がった生醤油を大きな木桶に移し、更に数ヶ月熟成させて不純物を沈殿。その上汁が醤油となります。
→(6)櫂入れ体験