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蔵付き酵母と酒米「辨慶」の出合い。
100年前のコンビが平成最後に「呼應100年」を誕生させた。

タイトルがはいります。

タイトルがはいります。

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前回夢前町の町興しを書いたが、今回もそれについて触れたい。そもそも今回の取り組みは、兵庫県の後押しで始まっている。平成27年に中国自動車道に夢前IC(スマートインター)が開通した。これまでは福崎で降りるか、姫路市街から地道で走って行ったのだが、この開通によって一挙に便利になった。それによって町民達が結集し、町の魅力を訴求しようと企画を立てたのである。そんな中に「夢前ゆめ泥リンピック」もあれば、「播磨日本酒プロジェクト」もあった。特に後者では、播磨地区が日本酒造りの最古の文献が残ることから日本酒にまつわる町で呑みたい酒を仲間で造ろうと、農家や酒蔵が一体となって日本酒造りを行っている。その中心が壺坂酒造の壺酒良昭さんであり、ファームハウスの飯塚祐樹さんである。ここでは山田錦から作られた愛山(希少品種)を栽培して酒を仕込んでいた。そしてできたのが「純米吟醸雪彦山 播磨古今」や「純米吟醸雪彦山 愛山1801」だった。

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こんな前触れがあって「食と農で結ぶ夢街道づくり事業」は、年々進化を遂げていく。そして幻の酒米「辨慶」と壺坂酒造の蔵付き酵母菌が出合うに至るのだ。
酒米「辨慶」は、兵庫県立農事試験場が在来種の辨慶1045から選抜育種した品種で、大粒であったり、心白の発現性が優れたりしている点から大正から戦前までは広く栽培されていたようだ。昭和7年が最盛期で、約13000haと兵庫県内で最も栽培されたとの記録が残っている。ところが山田錦が出ると、品種特性がさらに優れていたこともあってそれに取って替わられ、昭和30年頃には姿を消してしまった。
近年、酒米は山田錦や五百万石が中心となり、いずこの蔵でもそれらを用いて仕込むのが当たり前になっている。だが、地方の蔵元が個性化を図ろうと、復刻米による醸造に取り組む動きも目立って来ている。殊、「辨慶」に関していえば、2012年に山形の酒田酒造(上喜元)が復活させているし、青森の西田酒造店(田酒)でも2013年から使い始めているのだ。蛇足ながら兵庫県でいえば、神力も復活させた米の一つ。神力は揖保郡御津町の丸尾重次郎が明治10年頃に在来品種より選抜育種したもので明治期には流行し、愛国や亀の尾と並んで三大品種の一つにまで挙げられ、全国の2割を占めたといわれている。ところがこれも肥料に硫安が普及したことでいもち病や白葉枯病に弱いことが露見し、昭和10年頃に姿を消してしまった。神力を復活米として使用したのが姫路の本田商店らの蔵元で、特に「龍力」で知られる本田商店は発祥の地・御津で栽培し、龍力ブランドの中で「神力」を誕生させている。

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